高配当銘柄として有名なエクソン・モービルですが、原油需要の減少に伴う業績の悪化で株価が大幅に下落しています。この下落は一時的なものでしょうか。それとも、もう元には戻らないのでしょうか。海外の有名ブロガーの分析を紹介します。
記事概要
Blog source | A Wealth of Common Sense |
Article title | How Comfortable Are You Holding Stocks For 30 Years? |
Publish info | Posted October 6, 2020 by Ben Carlson |
URL | https://awealthofcommonsense.com/2020/09/is-exxon-the-next-general-electric/ |
要約
全体として株式市場がパニックの時に買うことは、おそらく最高の戦略の1つですが、問題はいくつかの銘柄が以前の株価には戻ってこないことです。
ゼネラル・エレクトリック(GE)はそのような銘柄の1つです。
2009年3月初旬に株式市場が底打ちし、S&P500が500%以上上昇している間にGE株は27%しか上昇していません。そして、GEは2007年からの価格からほぼ80%オフのままです。
GEは、1990年代半ばから2000年代半ばまで、S&P500の中で最大の銘柄でした。最近の2010年時点では、米国の株式市場で5番目に大きな企業でした。ピーク時には6000億ドル近い時価総額を誇っていました。
しかし、今ではそのピークから90%以上も下落しています。依然として500億ドル以上の企業ですが、ここでの凋落は目を見張るものがあります。
GEからバトンを奪って米国最大の企業になったのは、2010年には米国株式市場で最大の企業だったエクソンでした。エクソンは、今、自らの華麗なる転落の真っ只中にいるのかもしれません。2010年にトップの座を維持して以来、エクソンの時価総額は半分に減っています。
2007年のピーク時から、エクソンの時価総額は70%以上も減少しています。2014年以降だけでも、投資家は60%近くを失い、配当金を含めても減少しています。
エクソンの時価総額は約1,500億ドルで、S&P500の時価総額では40位に位置しています。しかし、エネルギー市場が活況であった2007年の5,190億ドルには遠く及びません。
エクソンが次のGEになるかどうかはわかりません。エネルギー部門が復活するかもしれませんし、原油価格が高騰するかもしれません。電気自動車が自動車市場を席巻するには、人々が思っているよりも時間がかかるかもしれません。
しかし、歴史的には、山の頂上に登り詰めた大企業が、二度とそのレベルに到達することはないという事例がよくあります。
シティグループ、バンク・オブ・アメリカ、AIGは2005年のトップ10に入っていました。その年の終わりから、これらの銘柄はそれぞれ90%、42%、97%下落しています。シアーズは1980年代の大部分を占めていた10大銘柄の一つでした。彼らは2018年に破産を申請しました。
実際、1980年以降、S&P500の上位10社の回転率は、5年ごとにそのリストを見ると50%です。つまり、5年ごとにトップ10に入っている名前の半分は新しい名前なのです。
長期的に見て最大の勝ち組の話をするのはいつも楽しいですが、それらの勝ち組の多くが最終的に最大の負け組になることを覚えておいた方がいいでしょう。
著者
Ben Carlson
リソルツ・ウェルス・マネジメントの機関投資家向け資産運用担当ディレクター。様々な財団、基金、年金、病院、保険会社、富裕層の個人向けにポートフォリオ戦略を開発し、投資計画を作成しいる。2017年には、「Investment News 40 Under 40」のトップファイナンシャルアドバイザーリストに選出。
著書『A Wealth of Common Sense: Why Simplicity Trumps Complexity in Any Investment Plan』、『Organizational Alpha』