長期投資の観点ではS&P 500への集中投資が最適解だと言う声も多いですが、短期的に、特にCOVID19の危機が去るまでは、もしかしたら他に最適解があるのかもしれません。今回はゲーム業界のETFである”NERD”について、海外の有名ブロガーの分析を紹介します。
記事概要
Blog source | MyWallSt Blog |
Article title | Is NERD A Better Investment Than The S&P 500 Right Now? |
Publish info | Posted on October 19, 2020 AuthorAndrew O’Malley |
URL | https://blog.mywallst.com/is-nerd-a-better-investment-than-the-sp-500-right-now/ |
要約
ビデオゲームやesportsの市場は年々大きくなってきており、COVID-19は当該セクターの成長をさらに加速させました。多くの人々がesportsとビデオゲームの将来性に期待しています。しかし、その将来性は分かっていても、果たしてどのような企業に投資すべきかを知ることは難しいかもしれません。
NERD(NYSEARCA:NERD)は、ゲーム業界における多数の企業から構成されるETFです。
S&P500よりも優れているか?
NERDは、2019年半ばに発売されたesportsのパフォーマンスを適切に追跡することができる世界初のインデックスです。
これには、ビデオゲーム会社、ハードウェア会社、競技用esportsチームのオーナー、ビデオゲームリーグやトーナメントのオーナー/運営者、ストリーミングネットワークの運営者が含まれます。
10月15日現在、NERDの時価総額の中央値は39億ドルで、現在の株価は純資産価値である25ドル前後をやや上回って取引されています。過去 1 年間で、NERD の株価は約 36%上昇し、パンデミックによる 3 月の安値からおよそ2 倍に上昇しました。
一方で、S&P500もパンデミック発生時には大きく下落しましたが、その後、徐々に回復し、現在ではパンデミック前の水準を3%近く上回っています。
成長性や将来性はどうか?
esportsの世界は年々、指数関数的に大きくなっており、世界のesportsオーディエンスは2023年までに6億4800万人を突破すると推定されています。
NERDは2019年半ばにスタートしたばかりなので、パンデミックが発生するまで横ばいでしたが、投資家がesportsの将来性に目を覚ましたことで、今後、相対的に発展途上にあるこのセクターに資金が投入することが期待できます。
NERDは、テレビゲーム業界においてバランスのとれたエクスポージャーを得るための最良の方法として、他と比べても際立っています。esportsという概念がより主流になれば、NERDには大きな成長の可能性があると言えるでしょう。
大手ゲーム会社である、エレクトロニック・アーツ、アクティビジョン・ブリザード、テイクツー・インタラクティブなどは、2020年の売上高において記録的な数字を叩き出しています。2020年8月の米国のビデオゲーム支出は、前年比37%増の33億ドルと過去最高を記録しました。これまでの2020年の総支出額は294億ドルで、前年同期比23%増となっています。
また、マイクロソフトとソニーからも新しいゲーム機のリリースが控えており、支出額をさらに押し上げることになるでしょう。
A&PとNERD、どちらに投資すべきか?
長年にわたり、S&P 500 インデックスへの投資はシンプルでありながら効果的な戦略となっています。S&P500指数は歴史的に上昇傾向にありますが、今も昔も大きな波があるとはいえ、その傾向は変わりません。しかし、11月に控えている米国の大統領選挙、COVID-19の第2波の懸念などを考えると、S&P500にとっては波乱の多い時期となるように思われます。
一方で、仮に第2波が始まれば、ビデオゲームの利害関係者の運勢はさらに向上する可能性が高いでしょう。ホリデーシーズンに向けて、新しいゲーム機やゲームを購入したり、esportsを観戦したり、より深く関わったりする人が増えてくるでしょう。
長期的には多くの成長の可能性を秘めているNERDは、今のところ、より良い投資先にであるように見えます。
著者
Andrew O’Malley