5Gでアップルの株価はどうなる⁉”How Important Is 5G To Apple?”

5GはAppleの今後にどのような影響を及ぼすでしょうか。海外の有名な投資系ブロガーの分析を紹介します。

記事概要

要約

iPhoneの販売台数が減少する中、5G革命はAppleを後押しするのか

iPhoneの売上高は、2018年第1四半期にアップルの総売上高の70％近くを占めていたものの、2020年第3四半期には約44％にまで減少しています。対照的に、同社のサービス部門とウェアラブル部門は、同期間の全体的な収益の代表として、それぞれ130％と74％の成長を遂げています。そのような中、アップルは10月13日に最新のフラッグシップモデル「iPhone 12」の発売を発表し、同製品の売上高を押し上げようとしています。

Why upgrade?
Appleは低価格帯のモデルとして、これまでにリリースされたiPhoneのなかで最小モデルであるiPhone Mini（699ドル）をリリースしました。さらに、iPhone 12は市場で最もタフなフロントガラスディスプレイを備え、ラインナップも以前のモデルよりも薄く、軽くなっています。これらの魅力的な機能に加えて、5Gインフラの整備が進み、その技術を活用したより高度なアプリが開発されれば、より多くの顧客を惹きつけるであろうと期待されます。

また、iPhoneユーザーの36%以上が少なくとも3年間は機種のアップグレードをしていないという事実のために、アナリストは、アップグレードのスーパーサイクルを予測しています。同社は最小のiPhoneを提供するとともに、最大のiPhoneであるiPhone 12 Pro Maxのリリースも予定しており、Appleがそれまでよりも大きなiPhone 6を発売した2014年と同じムーブメントが起きることが期待されます。

5G がAppleに及ぼす影響は？
5Gは高速のダウンロードを実現し、待ち時間の短縮と接続デバイスの大容量化を約束しています。これにより、ユーザーは高精細ビデオのストリーミングやダウンロードを高速化し、シームレスな拡張現実やバーチャルリアリティ（A/VR）を体験することができるようになります。

アナリストは、Appleが5Gによって受ける恩恵はiPhoneの売上だけでなく、成長している2つの分野でも大きな伸びを見せるだろうと予想しています。サービス分野では、クラウドベースのゲームサービス「Arcade（アーケード）」での体験を超高速化します。ウェアラブル部門では、AppleのスマートグラスはA/VRに依存している可能性が高いため、この技術の恩恵を受けることになるでしょう。Appleのサービス部門は2024年までに1,000億ドルの規模になる見込みで、ウェアラブル市場はそれまでに640億ドルに達すると予測されており、そのうちAppleは34％の市場シェアを誇っています。

AppleのiPhone 12はパンデミックのために1ヶ月遅れで発売されたため、世界初の5Gスマートフォンとはなりませんでした。しかし、Appleのスマートフォン市場シェアの45％超を占める非常に強固な消費者基盤を持っているため、これによる影響はわずかであると言えるでしょう。実際、同社は今年だけでも新型iPhoneの販売台数が1億台を超えると予想しています。

5Gはまだ黎明期ではあるものの、速度や遅延の改善だけでなく、近い将来に成長するサービス部門やウェアラブル部門を増幅させることで、Appleの収益を押し上げることに貢献することになるでしょう。

著者

Edward Pinkhasov